学習会(第66回定例会報告後半) 実施しました!

立憲パートナーズ大田の会3周年記念集会事前学習会

枝野ビジョン 支え合う日本をテキストとして

2022年2月21日17:30~20:30

大田区生活センター 参加者9人

KB、H、KJ、YKの4人から問題提起があった。

(KB)大きく分けて、政治思想の部分・政権奪取の決意表明の部分・政策論の部分の3つの部分に分けて読むことができた。

最後の政策論の部分について感じたことを中心に述べたい。

日本の現状をどう認識しているのか。行き過ぎた「自己責任論」と「効率化」のために公共サービス・公共施設(第1次産業や医療も含む)が縮小してしまった。そのため、本来消費に向かうべき資金が将来不安のため貯蓄に積み上げられ消費が拡大しない。

消費が拡大しない→経済が拡大しない→給与が上がらない→消費が拡大しないと言う悪循環に陥っている。

契約社員を正社員にする・給与水準を引き上げるなど、貯蓄をしなくとも将来に安心して生活できる社会を実現する。

 

(H)消費性向が高い低所得層を下支えして消費拡大をに結びつける再配分政策のポイントは、非正規労働を正規労働に転換する事により雇用の安定化を図り、分厚い中間層をとりもどす。非正規雇用を労働法制の整備によって正規雇用にすることで給与のアップにつながるとの見立てだが果たしてその通りになるのかのか。

技術革新が激しい現代ではステップアップ可能な労働市場の整備やリカレント教育の充実も必要ではないか。また正規と非正規とが同じ仕事をしているのに待遇格差があることも問題。

終身雇用制度・オン・ザ・ジョブ・トレーニングが可能だったのは高度経済成長期だったからではないか。一社に帰属し安定雇用だけでなく、個人の能力が発揮される社会が必要ではないか。

土建国家から福祉国家に転化するためのプロセスについて相当な議論が必要。安心を支えるサービスを供給するためには「余力」が必要との指摘も、今の日本にはその余裕がない。過去の公務員批判に対してどう整合性を持たせるのか、どのような対策が打てるのか。労働組合との関係など議論を深める必要がある。

第1次安倍内閣で改正した「教育基本法」について言及はないがどう見ているのか、将来の日本を支える人々への教育をどの様に考えるのかも重要。

 

(KJ)新型コロナウイルス感染症が突き付けた日本の課題で述べられていることは、枝野ビジョンが明らかにしようとしている、「効率性に偏重した経済の脆弱性」と「過度な自己責任社会の脆弱性」が最もはっきりと見える形で現れた事象としてとらえられる。

効率性偏重の経済は国内では選択と集中を進める事となり、非効率な公共部門の民営化や廃止の道をたどった。民間企業も規模の拡大や採算性の悪い部門の切り捨てにつながった。

国際的には過度な国際分業が進み、安い人件費を求めて工場の海外移転が進み海外依存が進行した。その結果マスクも、防護服も国内では製造されていなく調達に時間がかかった。効率性を過度に進め偏重した経済の脆弱性は政策の失敗である。

過度な競争が社会の発展につながり、落ちこぼれていくのは自己責任との社会風潮から、弱者切り捨ての政治がまかり通った問題がコロナで顕在化した。過度の公共の縮小の例として1989年の保健所の数が全国で848か所あったものが2020年には469か所に半減していると指摘。

過度な自己責任論から脱却し、支え合う経済と機能する政府を取り戻す。豊かさも痛みもしっかりと分かち合い、支え合う。そんな社会と・経済と行政と政治を取り戻す、とまとめららている。

ここでさらに踏み込んで財政赤字の拡大が行政サービスの見直しやその後の公共の縮小につながったわけだが、なぜ高度経済成長後財政赤字が急速に拡大したのか、その辺の原因をもっと分析する必要があるのではないか。信用度の低い行政データーや科学的思考の欠如した政策の採用がなぜ起きるのか。
庶民が一向に豊かさを実感できないまま、経済が落ち込んで分かち合う富が心細くなっている。

コロナで問題点はよく見える事となったが、乗り切るためのハードルはさらに高くなっていはしまいか。

 

(YK)3人の共通する論点に見られるのは、自己責任社会からの転換が、自民党や維新政治への批判として有効であるという点ではないか。

そのうえで問いかけたいのは、一つはこのビジョンがだれに向けたメッセージなのか、二つ目はいかにして実現させるのかという道筋が見えてこないという事が気になるところ。

多くの有権者はどこが政権をとっても経済界の利益が優先されると思っている。そこで自民党が選ばれるのは実績があり他よりはましと言う消極的理由でしかない。それを超える強力な伝わるメッセージを必要な具体策と合わせて打ち出すことが求められている。
パートナーズ制度を活用して、訴えるべき有権者を明確にしそこに伝える努力を集中し、選挙区での地力を高め強力な地盤を作っていくことではないか。

 

質疑応答

質問 非正規を正規にしても雇用の安定にはなるが賃金はあまり変わらないのではないか。同一労働同一賃金を徹底することの方が改善しやすいのではないか。

(Hさんの回答)

男女の賃金格差などの問題がある。大手と中小の差はやる仕事の大きさの違いという面もある。

やりたい仕事が出来るようスキルをアップさせるサポートを国がやるべきではないか。

質問 失業リスクについてどう考えるか。

(Nさんの回答)

古くから、手に職を持てという意見がある、そうすれば失業しないというが反対だ。そんなものなくても生きていける社会にしなくてはならない。個々人によって出来ること、出来ないことがある。能力ばかり言われて競争ばかりになる。普通の生活ができない人もいて、この世界は成り立っている。枝野ビジョンでそんな社会ができるのかを、枝野さんに聞いてみたい。

(YGさんの感想)

正社員にも身分差別がある。郵便局では無期雇用をアソシエイトと呼ぶ。

教育基本法についてきっちりやって欲しい。立憲民主党は政党としてのシンクタンクを持つべき。

(Sさんの意見)

普通の有権者には具体的な経済政策が見えてこないのではないか。

(KJさんの疑問)

ずうっと真面目に働き詰めの日本人の所得がなぜ少ないのか。高度経済成長でGDP世界2位と言われた時も実感はなかった。小ちゃな車に乗ってウサギ小屋に住んでいると揶揄された。気が付けば、財政赤字はGDPの2年半分。経済力も賃金もダダ下がり。日本人が稼いだ富はどこに消えてしまったのか?

(Oさんの意見)

日本の資産が外資に流れて日本人のためには使われていないことが基本にあるからではないか。

以上。

枝野ビジョン、実現すればいいね。だけど、その道筋はどうなの?その妨げになっていることは何。まだまだ深堀すべきことは多いようです。(KJ)

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